今から出来る教育改革の対策とは


高校1年生が意識すべきこととは

 

前回の記事でお話した2020年の教育改革。

 

これによって現在の高校1年生が受験することになる大学入試は大きな変化を迎えることになります。

 

しかしながら教育改革が行われると言ってもいまいちピンと来ないのが本当のところだと思います。

 

では今高校1年生はこれから迎える教育改革を前に何が出来るのでしょうか。

 

そもそもなにそれ!という方もいるかと思います。

 

一緒に見ていきましょう!

大きく変わる世界と日本



2020年の教育改革の背景は前回もお話したとおり、AIの時代に突入した21世紀の社会を生き抜くために必要な資質・能力が大きく変わるというところにあります。

 

さらにはAI技術の台頭に負けず劣らず、グローバル化は日々進展しています。

 

インターネットの発達によって、たくさんのモノ・人・情報が国境を越えて行き来するようになり、私達は日々世界のものに触れながら生活しています。

 

インテリア一つとってももはや日本にいながら日本らしさを見出すことの方が難しくなってきている時代です。

 

さらに海外旅行も世界中で活発に行われており、日本を訪れる外国人は年間約3000万人にもおよぶそうです。

 

一方ビジネスの世界でも外国企業と国内の小さな企業がやり取りをするようになるだけでなく、外国人を雇う企業や社内の公用語を英語と定めた企業も出てきています。

 

このようにグローバル化が進む中で私たちが外国人と一緒に過ごしたり、やり取りをする機会は今より一層増えていくでしょう。

 

今日本を取り巻く社会はかつない程の早さで変化し続けているのです。

社会が変わると求められるスキルも変わる


上記のように日本を取り巻く社会が変わると、当然これまでと求められるスキルも大きく変わっていくことになります。

 

例えば最近の研究では以下のようなことが予想されています。

 

あと10〜20年で、49%の職業が機械に代替される可能性がある

(オックスフォード大学のマイケルA.オズボーン准教授の計算)

2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、今存在していない職業に就くだろう

(ニューヨーク市立大学大学院センター教授のキャシー・デビッドソン)

2030年までには週15時間程度働けば済む

(経済学者ジョン・メイナード・ケインズ)

 

このようにこれまで人がこなしてきた仕事はロボットやAIがこなしていくようになるでしょう。

 

誰でも出来る仕事は全てAIに置き換わっていき、私たち人間は想像力を活かした仕事に専念するようになっていきます。

 

そうなれば私たちはが身につけるべきは、これまでの詰め込み型の教育の象徴であった知識や技術ではなく、課題自体を自ら発見していく力や、創造的な発想をする力、他者と協働してものごとに取り組んでいく力など、より抽象的な能力になるはずです。

 

どんなに変化の早い社会においても、科学技術によって代用できないことがあります。

 

人間にしかできない能力を育てていこうというのが今回の改革の根幹なのです。

 

グローバル化も同様です。

 

外国人と共生していく時代において最も大切なスキルはコミュニケーションをとるということです。

 

だからこそこれまでの「聞く」「読む」という2技能に加えて「話す」「書く」という4技能とより総合的な英語力が求められるようになりました。

 

2技能だけではもはやこれからのグローバル社会では通用しないでしょう。

 

こうした背景を受けて今学校教育も変わろうといしています。

 

これまではどの学年でどの教科を教えるかを中心に定められており、「学んだことを理解しているか(知識・技能)」が評価対象でした。

 

しかし新学習指導要領では「知識や技能を習得した上で、それをもとに自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ことが要求されるようになります。

学校教育が変われば大学入試も変わる


学校教育が変わると同時に、その力が身についているかどうかを測るための入試も変わります。

 

1990年から約30年間にわたって実施されてきたセンター試験が2020年に廃止され、新たに大学入学共通テストが導入されます。

 

これまでのセンター試験は知識・技能を問う問題が中心でしたが、今回導入される共通テストでは「知識・技能の習得を前提に思考・判断・表現を中心に評価」されることになります。

 

これはつまり今までの知識・技能に加えて新たに思考力・判断力・表現力を問われることを意味し、その分難易度が上がることが予想されるでしょう。

 

大学の個別試験や私立大学試験では、志望理由書からプレゼンテーション、その他検定などの資格も採点基準になり、より多面的な能力や適性を評価する試験に変わろうとしています。

 

加えて新たに思考力・判断力・表現力を問われることを意味し、その分難易度が上がることが予想されます。

今、高校1年生が出来ること


 

では今の高校1年生は具体的にどんな対策をとっていくべきなのでしょうか。

 

①授業をしっかり受け、各教科の基礎を押さえよう!

 

先ほどもお話したように今回の教育改革では「知識や技能を習得した上で、それをもとに自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ことが要求されるようになります。

 

当然「考え、表現し、判断する」ためにはその元となる知識は不可欠になります。

 

普段からしっかり授業を理解する習慣つけることはまず今からできる対策と言えるでしょう!

 

②授業には積極的に参加しよう!

 

そして今高校の授業のあり方が徐々に教育改革に向けてシフトし始めています。例えば授業にiPadが導入されたり、先生からの一方通行の授業ではなく、自分自身が主体的に参加することが求められるアクティブ・ラーニングを取り入れた授業が実施されているところもあります。

 

このような変化している授業に対して関心を持ち、積極的に参加していくことを心がけてください。

 

授業への積極的な参加が、教育改革において求められる力を身につける一番の近道なのです。

 

これからの大学入試は学習に対する意欲や姿勢まで求められるようになります。

 

普段からニュースや新聞に触れ、今自分が生きている社会が一体どのように変化しているのかについて把握しておくことも有意義な対策と言えるでしょう。

 

その上で「どうして?」という小さな疑問は先生や塾の先生に積極的に聞くようにしてみて下さい。

 

これから迎える答えのない社会で自分なりの意見を持つということは何より大切な営みになるはずです。

 

 

中原

 

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