「一発勝負」と聞いて思い浮かべるのは皆様どんな事柄でしょうか。一夜漬けの試験、お祭りの射的、あこがれのあの人への告白などあるかと思われます。
大辞泉で言葉の意味を調べると一回で勝敗を決すこと、一度で決着をつけることである記載されています。
後退する道もなく一回に持てる力を全てを注ぎ込む。そんな「一発勝負」ですが世界へ目を向けてみると我々日本人が考える勝負と根本から!まるで違う「最もガチ」な一発勝負が存在することはご存知でしょうか。
それがお隣の国「韓国」まさに超々高学歴社会、一回の試験で人生の全てが決まるといっても決して過言ではありません。
「大学修学能力試験」といわれるセンター入試試験へまさに死力を尽くす勢いで勉強する人々の様子をお届けし
何かつかみ取ることを目的として今回はお届けできればと考えています!
それでは参りましょう!
超々々高学歴社会の国「大韓民国」
「大学修学能力試験」韓国では「スヌン”修学”」と呼ばれる、日本でいうところの大学センター入試試験は韓国内のほとんどの4年制大学が利用する入学試験方式であり、この成績が6割の結果へ起因します。受験生はここを突破するため猛勉強を行います。
ニュースでもたびたび報道されている、受験会場に間に合わない学生を警察車両が送り届けられたり、飛行機の離着陸の制限が行われたり、会社員の出社時間が変更になったりとまさに国を巻き込む受験体制!目にする機会も多くあります。
なぜこんなにも受験一色に染まるのでしょうか?
韓国の受験システムに触れてみたいと思います。
韓国の大学進学率は非常に高く、これには日本では専門学校でなされる教育内容も大学に織り込まれているという側面があります。さらに韓国では高校までの受験がなくなり、実業系と一般系という学校区分で一本化されました。
高校生は全員進学を望んでいるため、ほとんど受験の機会が一度しかなくなり競争が激しくなるという結果となっています。
さらに注目すべき点は大学の進学率です、日本が51%に対し韓国では71%。正に大多数の人々が大学へ進学していると言えるでしょう。
そうなってきますと次は就職の場をみてみます。71%の人々が少ない大企業への切符を目指すため、大学に行かないという選択肢を取るとなるとそれだけ不利な状況になってしまうのは否めません
であるため韓国の人々は大学へ、その中でもより上位へ、名門へと、ハードルは天井知らずです。しかし、それでもより良い人生設計の為にと歯を食いしばって勉強します。
ちなみに韓国でのトップ大学は「SKY」と呼ばれ、S-ソウル大学、K-コリョ大学、Y-ヨンセ大学と全てソウル市内にある3校になります。
ドラマでのヒットを記録した「SKYキャッスル」の舞台にもなりましたよね。
歴史から紐解く国民的勉強思想!
※宮廷女官 チャングムの誓いより
ささ、ここからが面白い歴史的な観点からの考察です。なぜここまでいい大学へ入ることが、人生の成功と捉えられているのか気になってきました・・・見てまいりましょう!
韓国にはヤンバン、ソンビ、ファランという尊敬される理想像があります。
ヤンバンというのは、科挙試験に合格した文官・武官のことであり、ソンビというのは、学者のことです。ファランは古くは新羅時代からの像で、新羅の青年貴族たちを指します。
文と武にはげみ、学者でありながら武もたつという理想的な若者たち、日本にも文武両道という言葉がありますが、武の鍛練を積みながら、文をも修めるというのが上流階級者としてのたしなみでもありました。
日本ではどちらかというと武が60%~70%で、文が30%~40%のイメージ配分ではありましょうが、これが韓国ではまったく逆で、文が60で武が40程の配分イメージなのです。
日本と似た文化を持ち、古い時代様々な事柄を吸収してきた文化体系であるのにここまで違うのもまた珍しく興味深くもありますよね。
ヤンバンは、文官と武官にわかれていて、文官は文の人、武官は武を中心としますが文もやり手な人物。ここで重要なのは、朝廷では文官の地位が武官のそれよりも高かったことでしょう。
学問を修め、頭の切れる人が出世の道を歩むのはどこの時代もおなじですよね。武官がいくらケンカが強くても、文官の前ではかなわない・・・それだけ韓国では文が高く理想として掲げられているのです。
こうした慣習から、現代でも子どもを文である学者にさせようという空気が色濃く残っているのです。
勉強に対する並々ならぬ思い入れはここからきているのでしょう。勉強して成績をあげ、いい大学に入ることが第一優先の目標となるのです。
日本との違いを見てみよう①
では日本との違いはどのようなところがあるのでしょうか?
まずは皆さんも経験が多いでしょう部活動、委員会活動です。
長い学校生活において忘れられない出来事も皆様多いのではないでしょうか?
この生徒のみで自治を行ったり活動を通して社会やた学校と交流する活動、韓国では「存在しません」
これは韓国の方々の視点から見ても面白く、日本の漫画などを読んでいるとき上記のような活動を行っているシーンを見たりすると「こんなのが日本にはあるの!?」ととても驚かれるようです。
韓国では授業が終わった後、自習時間として学校は夜の12時ごろまで開放され、先生方も交代しつつ生徒たちのサポートを行います。
これは「夜間自立学習」通称「ヤジャ」と呼ばれ学校問わずどこでも行われているとのこと。
さらに受験を控えた学生たちには家族そろってご飯を食べる時間もありません。学校で軽い夜ご飯を食べそのまま勉強を行います。
お弁当2つ持ちですよね。これには用意をするお母さんも大変です。
日本との違いを見てみよう②
そしてもう一つ注目したいのが韓国の「塾」業界事情です。
日本でも小学校から塾に行くことは珍しくなくなりました。当塾でもたくさんの小学生のお子様をお預かりし勉強の楽しさを知っていただくため邁進しています。
そんな中、韓国へ目を向けてみましょう。韓国でも早いと小学校から中学のカリキュラムを行い、高校3年生1年間は問題演習に時間を充てるカリキュラムが多いようです。
学校で勉強漬けの毎日ですがその中で塾に行く子も珍しくはないということですね。
気になる授業料ですが、通常の家庭であると平均月収は約142,5620ウォン(14万円)程、家庭教師は月100万ウォン、150万ウォンを払っても受けられる科目は1科目か2科目であり、有名教師であるとより高額になります。
また学院(ハグォン)とよばれる進学塾であっても週2〜3回で月30〜50万ウォン程となり月収と重ね合わせるととんでもない割合を占めることとなります。
韓国では、受験戦争の弊害を和らげるために1974年に「高校平準化」を導入し、中学、高校受験をなくして、抽選で地域の高校に振り分ける方式を導入しました。
その中で受験戦争を一歩先んずるため爆発的に市場を伸ばしたのが塾業界なのです。
課外授業が活発となり、家庭に収入に占める教育費の割合は一層高まりました。
子の未来のため親は必死になってこのお金を工面します。まさに一家団結し受験戦争を乗り越えていくと言えるでしょう。
そのため塾市場規模は約18兆6000億ウォン(約1兆9千億円)!韓国の国防予算が40兆3000億ウォンであるので国防予算の半分を韓国国民は子供の為に捻出していることになります。
日本の塾市場規模は約9,570億円で防衛費が5兆4,000億円ということを考えると9兆7,500億ウォンと50兆4.980億ウォンとなり市場のみで見てみると倍の差がつくことがわかりました!
これほどのお金を捻出し自分をバックアップしてくれているのですから頑張らないわけには参りません。
自然と手にもつペンにも力が入り、スヌンの会場では家族総出で祈りに行き、警察やボランティア、飛行機も協力し受験生を応援するのも納得できる気がします。
最後に
いかがでしたでしょうか
日本と近く、たくさんの互いの人が行き来する日本と韓国、しかし内を少し覗いてみるとその実大きく違っていました。
「今、苦労しないと、後でもっと大変になる」そうならないために彼らは心血を注ぎ血肉を得ている事がわかりました。
正に人生の岐路、行く先は桃源郷か、はたまた崖か己の力のみが頼りの駆け引きなしの「一発勝負」の世界がそこにはありました。
韓国と言えば儒教の国、自らを厳しく律し先へ先へ備えていく心構えは我々も見習わないといけませんね。
日本の良いところはそのままに他国の良いところは取り入れて、それこそグローバル社会がもたらした大きなメリットの一つであると筆者は考えています。
以上、ご拝読いただきましてありがとうございました!最近、新大久保へ行きめちゃめちゃ美味しいサムギョプサルを食べ大いに感動した相楽でした。
またお会いしましょう!
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